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無期転換ルールと多様な正社員

多様な働き方, 法改正対応
2024.03.06

少子高齢化で労働人口が減少傾向にある近年、職場環境の整備等により人材を確保・活用していく必要性がますます高まってきています。

そこで「無期転換ルール」への対応や「多様な正社員」制度がひとつの解決策となります。

無期転換ルールと転換制度導入フロー

「無期転換ルール」とは、有期労働契約期間が通算5年を超えた場合に、労働者の申込みによって雇用形態を問わず無期労働契約に転換させなければならないルールのことで、労働契約法第18条により定められています。

法律上は対象者について契約期間の定めをなくし無期雇用に切り替えることのみが求められますが、無期契約社員に活躍の場を広げるために、あわせて正社員・限定正社員への転換制度も検討することが適切です。

以下①~⑥において、多様な社員区分を考慮した転換制度の導入における検討から運用までのフローについて説明します。

導入目的の整理

企業にとってのメリット(人材の確保・定着、モチベーションの向上・維持・能力開発・人材育成等)と労働者にとってのメリット(雇用不安の減少、長期的なキャリア形成の見通しや将来設計のしやすさの向上、賃金・労働条件の改善への期待等)を考慮し、無期転換労働者の長期的なキャリア形成のあり方も考慮しつつ導入の目的や方向性を決定します。

活用方法の検討

導入目的に応じて、以下のどのパターンにするかを検討します。

1.人材定着を目指す「雇用期間の無期化」

転換に際して契約期間以外の労働条件を変えずに、無期転換後の労働者と正社員等とで職務・処遇の棲み分けをおこなうパターンです。人材の早期確保、定着化を実現することが期待されます。

2.キャリア開発を目指す「正社員・限定正社員化」

無期転換後の労働者を正社員・限定正社員とし、職務・処遇を正社員と同等にするパターンです。人員の最適配置、キャリア開発、モチベーションの維持向上が期待されます。

3.人材定着・キャリア開発を目指す「全社員の無期雇用化」

有期契約労働者の通算契約期間・申し込みの有無にかかわらず全社員を無期労働契約へと転換し、有期契約労働者の区分を撤廃するパターンです。転換後の社員区分としては、無期転換社員、正社員・限定正社員などが考えられます。すべての社員の能力の発揮、人材活用の促進が期待されます。

③現状把握と実施案の詳細検討

自社の社員区分に応じた勤務実態を整理します。各社員区分についてそれぞれ現状の転換制度(無期転換、正社員転換)を可視化し、今後どのような転換制度を設けるのかを明確にします。

就業規則の改定

令和6年4月より、労働契約を結ぶ際の明示事項に「通算契約期間又は有期労働契約の更新回数に上限の定めがある場合の当該上限」、「無期転換の申込みに関する事項の明示」が追加されます。

その前提として、そもそも契約上限を無期転換し得る期間とするのか、無期転換後の待遇はどうするのかを就業規則で定めておく必要があります。

無期転換後の労働者の待遇について就業規則で定める際は、たとえば以下の項目について検討することになります。

  • 転勤・出向・職種等の変更
  • 解雇
  • 定年および退職
  • 賃金
  • 賞与・退職金

各労働条件等について、同一労働同一賃金等の観点から正社員と比較して不合理または不利な待遇差が生じないようにすることが求められます。

導入・移行

制度の円滑な運用には、従業員の理解を深めることが重要です。

パンフレット、 マニュアル、Q&A集、 社内報などを利用し、制度の対象者、管理職、周囲の社員それぞれに対して周知する方法があります。

運用・改善

①で整理した目的に沿った運用ができているか確認し、必要に応じて改善をおこなっていきます。

多様な正社員

「多様な正社員」とは、配置転換や転勤、仕事内容や勤務時間等の範囲が限定されている 正社員の総称です。たとえば「職務限定正社員」「勤務時間限定正社員」「勤務地限定正社員」などがあり、全企業のうち18.3%で制度が導入されています。

多様な正社員制度の導入は、従業員のワークライフバランスの実現につながり、無期転換した従業員にとっては正社員転換を考えることができるきっかけになることも考えられます。企業には安定した雇用の確保と対外的な印象の向上につなげられるというメリットがあります。

無期転換制度や多様な正社員制度を上手に活用することで、労使双方にとって望ましい多元的な働き方の実現につなげられることでしょう。

参考リンク

多様な正社員及び無期転換ルールに係るモデル就業規則と解説(厚労省)

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